小話第15話 シャリム誘拐事件 1
フーア「最近、物騒な事件が多いわね。
遺跡でモンスター虐殺か・・・」
マリアナ「ああ、それは僕も聞いた。
幸い、まだ冒険者には被害が出ていないらしいが、
時間の問題かもしれない」
フーア「傷跡からして、ダクストによるものらしいわ。
ダクストっていうと一人しか知り合いいないけど、まさかねー」
マリアナ「・・・・・・」
フーア「最近シャリム、一人で出かけることが多いけど、
こんな状況じゃ一人歩きは危ないかもね」
マリアナ「場所が場所だからなおさらだな」
フーア「イーストD・・・。
あそこ、暗くてじめじめしているし、
不審者が出てもおかしく無いわ」
マリアナ「あいつは仮にも2次職、エレメンタラーだ。
ある程度の奴なら、自分で撃退できるだろう」
フーア「そうなんだけど・・・何だか胸騒ぎがするの。
おやつあげるって言われても怪しい人について行っちゃダメって、
普段からよーく言い聞かせてあるけど、
大丈夫かしら・・・。
あ、でも真昼がいるから平気かな」
マリアナ「余計危険だと思う」
フーア「ん、どうして?」
マリアナ「両方とも食べ物には目が無い」
フーア「なるほど;
否定できないのが悲しいところね・・・」
~イースト地方・イーストダンジョン~
シャリム「よーし、クエ終わり!」
真昼「おなかすいたっ!ご飯だご飯ー」
シャリム「うん、街に戻ってご飯食べよっか!」
???「お嬢さん、これから食事かい?」
シャリム「そだよ~」
???「よかったらうちで食べていかないか?
兄と友人を招いて食事会を開こうと思っていたけど、
張り切って作りすぎてしまってね」
シャリム「それって、あたしみたいな赤の他人が行ってもいいの?」
???「もちろん。君なら大歓迎だよ、シャリム」
シャリム「わーい!
(あれ?でもなんであたしの名前知ってるんだろう・・・)」
真昼「でもさ、いいの?
知らない人についてくなって、フーアよく言ってるじゃん」
シャリム「作りすぎちゃったんじゃ、食べないともったいないよ。
それに、お昼代浮くからフーアも喜ぶんじゃないかな~」
真昼「なるほどー。よしよし、よく考えた!」
???「どうだい?行くかい?」
シャリム「行く~!」
???「そうか、それはよかった。
じゃ・・・少しの間眠っていてもらおうか」
シャリム「え?」
真昼「む?」
シャリム「・・・・・・」
???「これで手筈は整った。あとは・・・」
真昼「・・・ピンチ?ピンチだよね!?
二人に知らせないと!」
???「おっと、逃がさないよ。
ネコちゃんに恨みは無いけど、今は事を内密に進めたいものでね」
真昼「おわっ!・・・あたしもピンチ?」
はたして犯人の狙いとは?
2に続きます。
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