小話第19話 黒き射手 6

妹が世話になったようだな

???「妹が世話になっていたようだな。

取り乱したりして悪かった。

シャリムを見つけてつい我を忘れてしまった」

お兄さんなんだって?

フーア「シャリムのお兄さんなんだって?」

???「ああ。

俺はシャハル。シャハル・ルジェ。

ルジェ一族の長男だ」

お兄ちゃん

シャリム「ドミ世界でお兄ちゃんやお姉ちゃんと別れてから、

ずーっとお兄ちゃん達のこと、探してたんだよ~。

会えてよかった~」

シャハル「そんなにも兄ちゃんのことを心配してくれてたのか・・・!

いい子だな、シャリム~!!」

フーア「あーはいはい。

兄妹感動の再会の時に悪いんだけど、

聞きたいことがあるのよね」

シャハル「何だ?」

フーア「狙撃手って言ってたわよね。

どうして私を狙ったの?

ただ暇だったからとかってわけでもないでしょ?」

シャハル「・・・・・・」


裏に誰かいる

マリアナ「・・・裏に誰がいる?」

シャハル「!」

フーア「どういうこと?」

マリアナ「よく思い出してみると分かる。

このドミニオンは、『これ以上は守秘義務がある。

ま、あんたに恨みは無いが、仕事なものでな』


・・・こう言っていた。

仕事ということは、誰かに頼まれてフーアを殺そうとした。

そういうことだろう?

誰かということまでは分からないが」

シャハル「・・・よく聞いていたな。

隠したところでいずれ分かることだ。

詫びも兼ねて話そう」



裏にいるのは

シャハル「俺の雇い主は混成騎士団だ。

正確に言うと、東軍の騎士団団長だな」

騎士団!?

フーア「騎士団ですって!?

なんで私が騎士団に暗殺されかけなきゃいけないのよ!」

シャハル「『虐殺事件の犯人』にされたからだ」

フーア「は?虐殺事件?

私犯人じゃないわよ!」

シャハル「ああ、あんたは犯人じゃない。

俺も現場を見たことがあるが、あれは明らかにレイピアによる切り傷。

同じ剣でも細剣は剣士の専門外だ。

剣士であるあんたがやったとは考えられない」

フーア「じゃあどうして私が犯人にされるのよ」

シャハル「・・・内部事情、というやつだ」

マリアナ「・・・・・・」

フーア「あー、そういうこと」

シャリム「??」

シャハル「シャリムはまだ知らなくてもいいことだ」

シャリム「え~!」

知らないほうがいいこともある

マリアナ「何でも知ればいいというわけでは無い。

・・・世の中には、知らないほうがいいこともある

フーア「大人の世界って色々あるのよ」

シャリム「む~・・・。

それじゃあ納得できないよ~」

大人ってずるいわ

フーア「簡単に言うと、私を犯人にしたほうが楽だった、ってことよ。

・・・全く、冗談じゃないわ。

私が言えるのはこれだけよ」

シャリム「ほむ・・・・」





ついでに情報

シャハル「そうだ。

先程まで話を聞いていたが、とあるダクストを探しているらしいな」

フーア「ええ」

シャハル「シャリムのことの礼として、

ついでにそいつの情報を教えてやるよ」

フーア「レンさんのこと、知ってるの?」

シャハル「そいつが虐殺事件の本当の犯人だからな」

フーア「え・・・?」

シャハル「俺は現場を見たと言っただろ。

その時、人目を避けるようにして去っていった奴がいたから

バレないように後をつけた。

ファーイースト街道で見失ったがな。

そいつはショートカットの青髪のダークストーカー。

血で塗れた細剣を手にした女だった。


その情報に基づいてそいつが犯人だとされ、

騎士団が動いたようだ」

フーア「・・・・・・」

シャハル「これは俺が見た事実だ。

ま、信じる信じないはあんたの勝手だけどな」

そんなことしないよ~

シャリム「レンさんは悪いことするような人じゃないよ~。

アンデット城であたしたちを助けてくれたんだよ~」

シャハル「そうか・・・シャリムがそう言うならそうだな!

マリアナ「・・・・・・」

今どこにいるか

フーア「ねえ、レンさんが今どこにいるかは分かる?」

シャハル「それは俺にも分からない。

・・・いや、まてよ。

オーナーなら分かるかもしれない」

マリアナ「オーナー?」

シャハル「俺のもう一人の雇い主だ。

狙撃手としてではなく、別の仕事での雇い主だがな」

フーア「別の仕事、ねえ。

狙撃手だけでも結構生活していけるんじゃないの?」

シャハル「俺が仕事をする理由は金のためだけじゃない。

情報を集めるためということもある」

フーア「何の情報を集めてたの?」

シャハル「そりゃ、最優先は妹の情報だ!

まあそれ以外の情報も集めたけどな、仕事に必要だから」

フーア「あ、そう・・・」



ウィス中

シャハル「・・・オーナー?俺だ。

諸事情で、前話した女の情報が欲しいんだが・・・。

・・・・・・。

・・・・・・。

なるほど、助かった。

・・・ん、シフト?

俺は今日は非番のはず・・・昨日変えた?

そんな連絡聞いて・・・いや、聞いたな聞きましたはい。

だがこっちも取り込み中で・・・え、給料カット!?

それは勘弁してくださいお願いします!

これから向かいますから!!

はい、では・・・」



マリアナ「・・・・・・」

フーア「あんた、苦労してそうね・・・」

シャハル「言うな・・・」

ともかく情報はゲット

シャハル「ともかく、あのダクストの最新の情報は入手した」

フーア「何処にいるの!?」

シャハル「ノーザリン岬でそれらしき人物がいたらしい。

オーナーが直接仕入れた情報だから確かだ。

しかも目撃されたのは、つい2時間前のことだそうだ」

ノーザン方面ね

フーア「ノーザリン岬ってことは、ノーザンを目指しているのかしら」

オーナーの仕入れた情報

シャハル「その可能性は高いな。

最近ではノーザンを訪れる冒険者は少ない。

隠れるにはうってつけの場所だ」

そうと分かれば

フーア「よーし、そうと分かれば早速ノーザンに行ってくるわ!

早くしないと賞味期限過ぎちゃうし、ここからは時間の戦いね」

シャリム「賞味期限?食べ物持ってるの??」

フーア「今回の件はこの情報とシャリムに免じてチャラにしてあげるわ。

じゃ、行ってくるー!」





シャリム「行っちゃった・・・。

食べ物だったら少し味見したかったのに~・・・」

マリアナ「味見どころか全部食べそうだな。

そもそも、人にあげるものを味見しようとする発想が間違っているが」

それならバイト先へ

シャハル「シャリム、お腹が空いたなら兄ちゃんの勤め先に来るか?

ケーキ屋だぞ~」

行く~!

シャリム「ケーキ屋!?

行く~!!」

シャハル「再会の記念だ。

何でも好きなケーキを食べていいぞ」

シャリム「わーい!

ねえねえ、マリアナも行こうよ~」

僕はいい

マリアナ「僕はいい」

シャリム「一緒に行こうよ~」

シャハル「シャリム、行きたくない奴を無理に誘うのは良くないぞ。

ましてや、このタイタニアは・・・」

シャリム「マリアナと一緒にケーキ食べたいの!」

マリアナ「・・・はあ。

分かった。行く」

シャリム「じゃ、行こ~!!

ケーキっ、ケーキっ♪」

マリアナ(食べ物に関することは言い出したら聞かないからな・・・シャリムは)

シャリム(マリアナがお店でケーキの作り方を教われば、

家でもケーキが食べられる~)

シャハル(・・・・・・)










どたばたしてしまいましたが、これでシスコン兄登場編、完結ですw
この後も波乱が続く様子。
次回はクロウスさんとの連動記事になります。
(すでに何箇所か連動させちゃてますが・・・)

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